「事件解決人」  平成19年10月10日

保険会社での1年間の業績課題のキャンペーンに入賞すると感謝の会に顕彰招致される企画がある。
9年連続でその顕彰に入賞した時の感謝の会で恒例の基調講演があり、その年は確か脚本家のジェームス三木さんの講演があった。

脚本家であるジェームス三木さん曰く「私はドラマでいろんな事件をテーマに1時間以内に問題解決出来るシナリオを作る。時間の終わりには必ず事件を解決出来ることを決めてのシナリオであるが、皆さんは毎日予告もなく、まして1時間で終わらない事故、事件を解決しなければいけない仕事に携わっています。事故、事件はいい人ばかりではなく、常に難問に立ち向かっていると思います。シナリオにはない展開で問題が起き、それを解決しなくてはいけないお仕事ですから当然誰にも出来る仕事ではないと思います。是非頑張って下さい。」と

交通事故や賠償責任などの事故で年間300件程の事故、事件に関る我々代理店にとって本当に嬉しい話があった。

この保険業界に入って約17年間、過去に起きた事故でも信じられない事故、事件は数えれない程沢山ある。
いつも「何でこんな仕事を選んでしまったんだろう!?」と思う時があるが、そんな時必ずこのジェームス三木さんの言葉「誰にも出来ない仕事」を思い出しそれを励みに頑張ることにしている。

事故、事件のトラブルは必ずしもその相手ばかりとは限らない。時には自分のお客様である契約者にも裏切られることもある。
よく言われることは「事故、事件でその人の人間性が出る」と言うこと。確かに交通事故を起こして本当に反省して下さる方、常に自分を正当化する人いろいろである。
我々代理店は決して示談屋ではない。時には勘違いされて「噂で事故をすぐ解決してくれるらしいね」と言われて新しいお客様からの問い合わせもあるが、それが目的で選らばれたなら、その時はきっぱりお断りしている。
確かに今まで90%以上の確率で交通事故などがあれば現場に駆け付けることを心掛けているが、それは現場の状況を出来る限り詳しく調べて現場や双方の写真・状況図を保険会社の担当者に伝えることが一番の目的であって、決して相手に威圧感を与えるためではない。
お客様も事故があったら代理店が現場に来るのが当然と思っている人も多い。
それを当たり前に思われても困る話であって、あくまで正確な事故状況を把握するための目的である。
よくTVの刑事ドラマで言う「現場100回」と同じ意味と思い、現場を見ないと始まらない。
時には人身事故で病院に通院したらその分補償してくれると思い込み、支払いが少なければ文句を言って来るモラル違反の人も数える程だが過去に数名はいた。
どんなに一生懸命最善を尽くし事故、事件の解決に努力しても理解してくれない人もいる。
そんな人はいつか必ず罰が当たると思っている。
事故があって一番嬉しい言葉は「事故はお互い様、いつ自分も事故の加害者になるかもわからないから」と言って下さる方、そんなことを言って下さる方は数少ないことではあるが嬉しい話である。

昨年4月から息子もこの仕事を継いでくれると言い1年の研修を経て今年から一緒にやっているが時々この仕事で可哀相と思ったり、申し訳ないと思う時もあるが、いつかジェームス三木さんの言葉を理解して、この仕事を選んでよかったと思ってくれる日を待つ今日この頃である。


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